テストレポート:ワルター旋削用新材質

ワルターの新製品材質で耐久テストしてみました

ワルターからコーティングサーメットと汎用超硬材質の旋削チップが登場!

国内トップクラスのシェアを誇るメーカーのチップと比べて性能はどうなのか?
耐久テストを行ってみました















1.概説
炭素鋼や合金鋼の仕上げ加工は、打痕や白濁の改善など、数字にあらわれない部分で品質改善の対象になりやすい加工です。
白濁を改善するためにサーメットを使用することが1つの選択肢ですが、国内メーカーでもラインナップが充分に多いとは言えません。
そこで今回、ワルターからコーティングサーメット材質が新登場したということで、耐久テストを行いました。

また、欧米系メーカーはハイパフォーマンスな製品群が主流ですが、ワルターから国内メーカー以上のコストパフォーマンスを見込める廉価版の汎用旋削材質が登場しましたので、これも耐久テストしてみました。





2.テストレポート:WEP10C vs 国内コーティングサーメット
  • 使用設備
    Mazak QT-compact200MY

  • 加工ワーク
    外径Φ80×加工長100mm 材質SCM420

テストチップ:DCMT11T304-FP4 WEP10C

サーメットを使いがちな加工条件を想定し、耐久テストをしてみました。
(周速の上がりにくい細径の鋼ワークのシャフト部品の仕上げ加工。Φ10ワークで6000回転/min程度を想定)









  結果:国内トップシェアを誇るA,B社製品と比べ、工具寿命が良かった


加工条件:Vc=180m/min f=0.1mm/rev ap=0.5mm 外部給油あり 60分間の耐久テスト
すくい面 摩耗状況比較
  • ワルター
    材質:WEP10C
    FP4ブレーカー

    すくい面のコーティング剥がれが少なく、黒ずみも少ない

  • 国内A社製チップ
    コーティングサーメット
    仕上げブレーカー

    コーティング剥がれは多くはないが、加工熱が多く発生していそう

  • 国内B社製チップ
    コーティングサーメット
    仕上げブレーカー

    コーティングが剥がれ、母材が露出している

逃げ面 摩耗状況比較
  • ワルター WEP10C

    大きな摩耗は見られなかった

  • 国内A社製チップ

    大きな摩耗は見られなかったが、溶着らしき盛り上がりが確認できた

  • 国内B社製チップ

    明確な摩耗が見られた

切りくずは3社ともキレイに分断傾向
f=0.1mm/rev、ap=0.5mmの加工条件では、切りくず処理能力は3社ともに細かく分断されていた。国内A社はかなり細かい切りくず






3.テストレポート:WPV10 vs 国内コーティング超硬チップ
  結果:国内A社製品と比べ、工具寿命が良かった

加工条件:Vc=180m/min f=0.1mm/rev ap=0.5mm 外部給油あり 60分間の耐久テスト


テストチップ:DCMT11T304-FV4 WPV10

国内メーカーの対抗品:DCMT11T304(仕上げブレーカー) 鋼用最新材質

  • 使用設備
    Mazak QT-compact200MY

  • 加工ワーク
    外径Φ80×加工長100mm 材質SCM420

    設備もワークもサーメットと同じです。

すくい面 摩耗状況比較
  • ワルター WPV10(汎用超硬材質)

    ブレーカーの先端に強く切りくずが当たっている様子が確認できる。

  • 国内A社製チップ P種用最新材質

    すくい面側は大きな黒ずみや摩耗は見られないが...

逃げ面 摩耗状況比較
  • ワルター WPV10(汎用超硬材質)

    0.06mm程度の摩耗

  • 国内A社製チップ P種用最新材質

    0.12mm程度の摩耗
    ワルターと比べて2倍程度の摩耗状態

4.汎用超硬コーティング価格イメージ
海外メーカーはもちろん、国内メーカーよりも安価な価格設定






5.この記事のまとめ動画

ワルター vs 国内メーカー 動画で解説しています。

本記事の解説動画です






6.仕上げブレーカーの推奨取り代について 補足情報
動画の導入部分ではDry加工で比較映像を製作したが、WETでも加工してみた。
Vc=180m/min、f=0.1mm/rev、ap=0.2mm外部給油ありの切りくず比較。



若干ワルターのカール径が大きいが、切りくずが全てのチップで長くつながっていたことは共通であった。
国内メーカーのDCMTチップの最も微小切込み用のブレーカーであっても、WET加工では0.5mm程度の切込みが推奨と思われる

edited by yuki takashima and masashi shinki