MMPテクノロジーによる工具性能の向上:AXISマイクロドリル

切削工具の性能が飛躍的に向上する技術を施したAXIS社のマイクロドリル。
こだわりのテクノロジーを活用した製品をご紹介します

AXIS 超硬マイクロドリル

切れ刃や溝の表面を平滑にするMMP(超精密表面仕上げ)処理を施したマイクロドリルCOM-SUS及びCOM-Dシリーズは大幅な工具性能の向上が期待できます。

(MMP処理はΦ0.5以上が対象です)









1.AXISのCOM-SUSやCOM-Dシリーズに施されているMMP処理とは?
Micro Machining Process (超精密仕上げ処理)の略です。
切削工具の切れ刃と溝を鏡面のように平滑にする表面処理を施すことにより、精密に研磨された工具以上の工具性能の向上が期待出来ます。

MMP処理によって得られるメリットは...
  • 切削抵抗の
    減少

    工具の負荷が低減され、寿命を延長させることができます

  • 加工面粗さの
    向上

    穴精度が向上し、加工を安定させます

  • 切りくず排出性能の向上

    突発もしくは慢性的な工具の折損を防止します

  • 切れ味の
    向上

    刃先の溶着を低減し、穴径の安定・バリの低減をします

特に工具剛性が低く、深穴加工になりがちなマイクロドリルでは、
上記の問題を解決する工具が常に求められています。
AXISに施されているMMP処理はそのニーズに応えるテクノロジーです。




2.工具の外観だけでわかる違い
  • MMP処理なし

  • MMP処理あり

超高精密な表面処理により、見た目だけでも表面の光沢に大きな違いがあります。
一目見ただけでも工具の平滑さが確認できます。




切れ刃の平滑性の比較(x500拡大)
  • MMP処理なしの切れ刃エッジ部分

  • MMP処理ありの切れ刃エッジ部分

切れ刃のガタつきを滑らかすることで、加工が安定したり溶着を予防することが出来ます。
MMP処理は元々の刃先処理(ホーニングなど)を残したまま、表面を平滑にして切れ味を向上させる事ができる技術です。


3.テストデータと解説動画
テスト材料:SUS304
工具   :COM-SUS-0300 (MMP処理されたΦ3ドリル、Cominix標準在庫品)
ホルダー :BBT40 PG25x080H (REGO-FIX 圧入チャック)
コレット :PG25-CF 3.0
使用設備 :VCN-430A(MAZAK BBT40縦型マシニングセンター)
加工条件 :Vc=25m/min S=2700rpm f=0.04mm/rev 深さ4mm、1mmずつのステップ加工
結果   :国内マイクロドリル専門メーカーA社製品と比較して、5倍以上の寿命延長





国内メーカーvsアクシスの比較動画

本記事の解説動画です





刃先比較
  • 国内マイクロドリル専門メーカーA社製品:8m加工で欠損

  • AXIS COM-SUSドリル:40m加工後 継続使用可能です

スラスト値・トルク値の比較


キスラーでの測定結果
最大スラスト値の比較:国内マイクロドリル専門メーカーA社の約340ニュートンに対し、AXISは約230ニュートン。
加工負荷が30%以上改善していました。





4.製品ラインナップ






Cominixが標準在庫しているAXISのドリル製品のうちCOM-SUSシリーズのΦ0.5以上とCOM-DシリーズのΦ0.5以上は、全てMMP処理が施されています。

edited by masashi shinki & yuki takashima