こみづくりレビュー:アライドマテリアル

アライドマテリアルの播磨製作所
座談会形式でお話を聞いてみました



様々な業界の加工に関わる
ダイヤモンド・CBN素材の研削・切削工具

自動車、工具、電子、半導体など幅広い分野で使用されているダイヤモンド・CBN工具を製造・販売している。

PCD・CBNのロウ付け切削工具、砥石成形用のロータリードレッサー、ドリル・エンドミルなどの超硬工具を削るための
工具研削用ホイール、車載モーター用磁石の研削ホイール、半導体用各種ウェーハ研削ホイールなど、
様々な用途の工具を製造している。

今回はCominixとして新たな加工市場の開拓も期待しながら、インタビューに挑んだ。

弊社のインタビューに応じてくれたアライドマテリアルの皆様
左から深谷氏、中西氏、岡西氏、
撮影もして頂いた小野田氏(ご自身の写真は無し)
【以下敬称略】


----------本日はよろしくお願いいたします。
一同 よろしくお願いいたします。

専門で取り組むことの強み
----------アライドさんといえば、評価用の設備が非常に充実している印象があります。
小野田 立ち合い評価をする部署であるカスタマーソリューションセンター(CSC)の充実には力を入れています。
充実した設備ラインナップに加え、評価専門の組織があるのは当社のみだと思います。
展示会などでも「アライドさんほど力を入れているところはないですよ」とか「うらやましいですね」いうお声を皆様から頂きますし、私たちもこの部門を工具販売のツールとして、どんどん外部に発信していきたいと考えています。
また、評価部門に専門スタッフが常駐して様々な評価に取り組んでいるというのは他社にない強みだと思いますね。Cominixさんもテクニカルセンターで常駐されて取り組んでいらっしゃるという点で共通しますが、やはりそういう点はユーザー様からご興味を持っていただける部分だと考えています。
研削だけでなく、切削の旋削加工機でも加工負荷を検知できる
(提供:アライドマテリアル)



----------立ち合いは月に何件くらいあるのでしょうか。
深谷 評価は月に10件ほど、その内お客様の立ち合いテストは月に5~6件、多い時はもう少しあります。

----------月に20日稼働として2日に1回…。とても多い印象です
岡西 加工後の測定・解析・分析も行っていますし、きちんとした報告書も提出させて頂いていますので、1週間に数社の評価が重なるともう本当に大変ですね。(笑)
評価に関しては、単純に設備を動かすだけではなく、お客様のニーズを感じ取りながら行いますので、求められるスキルは高いと思います。セールスエンジニアとしての役割も時として必要になってきます。
中西 お客様が長期間担当されていたワークや加工であればあるほど専門的な知識をお持ちですので、日々勉強させて頂きながら評価を行っています。


----------それだけ件数をこなしていると様々なアイデアが生まれて、ユーザーにとっては意外な提案が出来るのではないかと思いますが
小野田 カスタマーソリューションセンターでは、切削・研削に関して様々なワークの加工をしていますので、逆に熟練されたユーザー様では見えてこなかったような方法の提案をすることが出来ると思います。
深谷 分析の分野では特にそういったご提案が出来ています。こんな分析方法で、こんな見方をすれば見たい現象を定量的に捕まえて評価できます、といったご提案ですね。
岡西 例えば複合材料などで、材料による塑性変形の違いを解析することで、改善のご提案に活かすことができます。

----------その解析結果をもとに、切り込みを変えてあげようとか、工具のすくい角を変えようかという方向で活用していくわけですね。

カスタマーソリューションセンターには、これ以外にも様々な分析・検査装置が並んでいる。
(提供:アライドマテリアル)
治具から提案出来る強み
小野田 時々、非常に複雑な形状のワークを評価するご要望があるんですが、評価設備を見に行くと「これどないしてセッティングしてるんやろ」みたいなことがありますね。(笑)
私は直接評価をしないので、本当にびっくりしますよ。
中西 そうですね。治具づくりは本当にたくさんやってきています。お客様からこういうクランプでやってほしいと言われて加工した結果上手くいかず、私のほうで治具を設計してセッティングのご提案をしたところ、加工が上手くいったケースもあります。

----------わたしも営業していて、どんなクランプでどんな工具で削ればいいのかすらわからないようなワークが新規案件として浮上した時にアライドさんに相談させて頂いて、ご対応頂いた経験があります。
小野田 実際の加工だけではなくて、そこに至るまでのプロセスもお応えできるというのは強みだと思います。
深谷 やはり国内ユーザー様が海外の競合に対抗するために高い付加価値を出そうということで、複雑な形状のワークであったり、今までにない加工方法のチャレンジをご相談いただくことも多いです。アライドで加工すれば一緒に色々な分析が出来るという事で、またその次のご相談につながるという好循環を生んでいると思います。

----------治具製作から検討が必要な案件で、お話をもらってから実際の立ち合いまでどのくらいの期間で対応可能なのでしょうか。また製作した治具をお客様に提供することはありますか。
中西 過去には2週間で対応したことがありますが、本当に超特急対応でした。治具製作が必要な場合は、できれば1ヶ月程度頂く事をお願いしています。製作した治具のご提供については、申し訳ないですがお断りさせて頂いています。

----------しかしイチから治具製作ありで1ヶ月…。ものすごく速いです。Cominixは治具の販売も行っていますが、テクニカルセンターとしては立ち合いテスト専用での治具検討と製作までは、今のところほとんど対応出来ていないです。
小野田 そういった対応もあってか、リピート率は非常に高いです。一度来ていただいたお客様が再度ご利用いただくという意味で言うと、リピート率は8割程度です。

----------テスト費用はかかるのでしょうか
岡西 製品の販売につながる場合は費用を頂いてない場合がほとんどです。ただ、最近は費用を支払うから基礎評価をして欲しいというご要望を頂くこともあります。カスタマーソリューションセンターではお客様が考えている内容を忠実に行うことも出来ますので。




----------お話をお伺いしているとユーザーの要望にほぼ応えられそうに思えますが、何かこれが欲しいというものはあるのでしょうか
中西 あります。設備が…欲しいです(深谷氏の方を見ながら)
一同 (笑)
中西 時々、お客様からのアンケートでも書いていただいているのですが、センターレスの設備が欲しいです。今は代わりとなる設備でシュミレーションテストを行っていますが、再現性といった部分でやはり懸念はありますので。
深谷 前向きに検討します(笑)。設備の更新と充実は図っていきたいですね。
情報発信の強化をしていきたい

小野田 逆にCominixさんからアライド製品でこういうところは頑張ってほしいという部分はありますか?製品としては高剛性・超精密というPRポイントを前面に出しているのですが。納期のご要望などは結構耳にします。
----------そうですね…。製品自体というよりも実績や成功事例などのアイデアをもっと発信していただけると、いま抱えている改善案件に活かせるような気がします。

深谷 我々も課題として考えている部分がそこです。技術資料や技術ニュースの発信件数を増やさないと駄目だいうのは社内の共通認識になっています。今年は是が非でも増やしていきたいと考えています。
小野田 やはりニッチなものを作っているので、そういう踏み込んだ技術的アイデアがあるかどうか、ご提供できる状態で準備があるかどうかという点は本当に重要だと思っています。

----------もう一つ。研削加工はクーラントと必ずセットになるものだと思います。クーラントの特徴や具体的な型番については私達がご提案したりユーザー様が改善を進めていますので知見がありますが、研削工具メーカーとしてクーラントをどう当てるか、どんな材質・形状のノズルで供給してあげるかといったセオリーや基本形などを提案出来れば、何か今までよりも1歩進んだ改善提案が出来る気がします。
岡西 おっしゃる通りだと思います。
小野田 過去にも色々と評価をしていますので、クーラントの当て方について体系的にご説明できるようにしたいです。もちろんクーラントの流量も非常に重要な要素です。
販売代理店・商社との取り組みを今まで以上に強化したい

小野田 弊社の新しい取り組みとして、工具研削用ホイールの売れ筋製品の在庫化・販売を、今年(2020年)4月1日から開始します。納期の大幅な改善が目的です。
工具研削用ホイールの一部商品が在庫販売となる。
アライドマテリアルカタログ



岡西 工具研削用ホイールに関して、競合他社はユーザー様の直取引がとても多いですが、弊社は代理店の皆様にご協力頂く割合が高いです。情報をとって頂ける代理店・商社の皆様にプライオリティーを置いてやっていこうという姿勢です。

----------Cominixとしては様々な業界に対して販売を広げていく武器として、これまで以上に活用させて頂きたい商材であると考えていますが、販売代理店・商社との取り組みはどのように考えていますか
小野田 商社の皆様にアライドマテリアルという会社を好きになってもらい、製品について知って頂くというのが非常に大事かなと考えています。
カスタマーソリューションセンターとしては、ユーザー様・販売代理店の皆様には何でもご相談くださいというスタンスです。ご相談いただく加工については、簡単にいかないことや結果が出るまで数年かかる場合もあります。そのような場合でも、お客様とともに評価を繰り返し実施しています。その取り組みによってCSCのファンになっていただき、アライドマテリアルのファンになっていただけると考えています。

スタッフ一同、ご相談を楽しみにお待ちしています。

----------最後に...今回のインタビューでは新しく完成した食堂にもお招きいただきました。
小野田 2018年10月に完成したブラン・フォーレです。以前は場所がら、立ち合い評価に来ていただいたお客様にご提供する昼食に苦労していましたが、今ではお客様からもご好評をいただいています。メニューは日替わりになっていて、月1~2回行われるフェアメニューの時には社員の行列が出来て取り合いになってしまうほどです。(笑)

----------我々はバリューセットの中華盛り合わせ定食をいただきましたが、ボリュームがあり美味しかったです。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
一同 ありがとうございました





半導体用シリコンウェーハの加工後。
これほどまでに曲がるほどの薄さで加工することが求められている
(提供:アライドマテリアル)

評価用設備の一部(提供:アライドマテリアル)

edited by yuki takashima
supported by allied material